LIFEEEEE!

”生きるように学び、学ぶように生きる” 

IBMワトソンの世界征服

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                                                                                            Photo遊牧国家のすすめ―DWティムールで世界征服 - EU3 Wiki

目次

●WATSON(ワトソン)とは

●ビジネスでの活用

ー 金融

ー コールセンター

ー 医療・ヘルスケア 

ー 食 「シェフ・ワトソン」

ー ロボット・おもちゃ

WATSONとは

 有名な人工知能(ではないが、わかりやすく人工知能と言っている)であるIBMワトソン。そもそも、ワトソンとはなんだろうか?

wikipediaの説明がわかりやすい。

ワトソン(英語: Watson)は、IBMが開発した質問応答システム・意思決定支援システムである。『人工知能』と紹介されることもあるが、IBMはワトソンを、自然言語を理解・学習し人間の意思決定を支援する『コグニティブ・コンピューティング・システム(Cognitive Computing System)』と定義している。 wikipedia

面白いことに、IBM自体はワトソンを人工知能とは定義していない。人工知能とは何か?、何を持って人工知能と呼べるか?にもよるが、簡単にいえばワトソンは人工知能ではない。なぜならば、ワトソン自体は質問の意味を理解しているのではなく、質問に含まれるキーワードと関連しそうな答えを導き出し、答えているだけだからだ。

 

松尾氏の著書『人工知能は人間を超えるか』によれば、

「クエスチョン・アンサリング(質問応答)という研究分野の成果である。ウィキペディアの記述をもとにライトウェイト・オントロジーを生成して、それを解答に使っている」

とのこと。ちなみに、ライトウェイト・オントロジーとはコンピューターに大量のデータを読み込ませて、自動で概念間の関係性を見つけさせようというもの。完全に正しいものでなくても使えるものがあればよいという思想とのことだ。

 

人工知能の定義とはなんだろうか?

アランチューリングの考案したチューリング・テストによって合格したものを一応、”人工知能”と呼ぶらしいが、テスト自体に問題もあるようで正確とは言えないであろう。とりわけ、その定義は人によって異なるが、ここでの定義は松尾氏の言う「人工的につくられた人間のような知能」としたい。私自身も、人が知能があると思えばそれは人工知能と呼べるだろう、という考えである。このワトソン自体も一部では知能があるように思えるが、もちろん人間のような知能を持っているとは誰も思わないだろう。

さて、IBMのディープブルーがチェスの世界チャンピオンに勝利したのは1997年。ワトソンがクイズ番組「ジョパディ!」にて歴代チャンピオンに勝利したのが2011年のことは有名なことである。

 

ビジネスでの活用 

 金融

DBSは資産運用部門の富裕層顧客への助言においてファイナンシャルプランナー(FP)を支援するため、ワトソンを利用する。ワトソンは大量の金融データを分析し、DBSがよりカスタマイズされたサービスを提供できるよう後押しする。 【海外アラカルト】人工知能「ワトソン」が金融界にデビュー - Bloomberg

 コールセンター

コールセンターでは、既にみずほ銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行という日本のトップ3のメガバンクが、コールセンターにワトソンを導入した。また、年間70万件の問い合わせを受ける三井住友海上火災保険株式会社もテキストマイニングや分析を行うIBM Watson Explorerを導入。問合せについて傾向や一定のパターン、相関関係などを見つけるため、電話やWebでの問合わせ内容をテキスト解析技術を使って分析し、様々な場合にどのような問い合わせが増えるのかという傾向が見えるようになったとのこと。

ワトソンの活用領域について、銀行では自然言語の応答機能を活用して、コールセンターでの顧客応対や顧客へのアドバイスなどの業務にワトソンを使用する予定である。この業務に合う知識を教育するため、専門のオペレーター数名による顧客応対パターンの入力や過去の応対ログの読み込みなどを行い、質問の正解率が80%に達するまで数ヶ月間かけてトレーニングする。このシステムは、最初は正解率が低いが、何度も使い込んで適切な答えを覚えて行くうちに、この質問ならこの答えという推論の精度が上がり、正解率が増していく仕組みになっている。みずほ情報総研:銀行業界で活用が始まったIBMワトソン

www.mugendai-web.jp

www.mizuho-ir.co.jp

 医療・ヘルスケア 

IBMの目的は、Watsonを使って同社のデータを患者の医療記録と合わせて解析すること

WatsonMRIX線写真やCATスキャンとの違いを認識し、撮影した物体が脳なのか心臓なのかも識別できる」とIBMの研究開発部門を率いるJohn Kelly上級副社長は話す 日本郵政 IBMの人工知能「ワトソン」を高齢者サービスに活用 - エキサイトニュース(1/2) 

 食  「シェフ・ワトソン」

料理アプリである「シェフ・ワトソン」。材料を入力すれば、レシピを提案してくれるというものだ。料理という創造性を用いる領域にまで進出しているのは面白い。現在はレシピ提案までに留まっているが、身体を持った時には料理まで作ってくれるだろう。人工知能はロボットにとっての脳。人間が行っていたレシピを”考える”という思考を代替えしているに過ぎない。身体性を持った時にはレシピを”考え”、”作る”こともできる。このレベルに到達するにはまだまだ時間がかかるだろう。

wired.jp

toyokeizai.net

 

 ロボット・おもちゃ

IBMは昨年2014年に人工知能企業であるCognea(コグニア)を買収。コグニアは対話型人工知能プラットフォームを持っており、ユーザーにパーソナライズすることを特徴としていた。Siriは電話帳の情報など一部のパーソナル情報を提供してくれるが、パーソナリティな応答はできない。このコグニアの技術を用いたかどうかはわからないが、IBM社がスポンサーで開催された「ワトソン・モバイルアプリ開発コンテスト」の優勝チームが、ワトソンへのアクセス権を得ることで開発した製品がこちらのCogniToysというスマート・トイである。

これは、今後どのように人工知能が社会に入っていくかの好例であろう。デバイスという観点でみれば日本ではpepperが、世界ではスマホである。子供達はスマホというデバイスを経ることなく、おもちゃからネットワークの世界に触れる。これは非常に興味深いことだ。

CogniToys は、自然言語を読み取る理解力があるため、子供が恐竜のお腹のボタンを押しながら話しかけると、質問に対して関連性がある情報を提供(子供の年齢に合わせて的確な回答)してくれたりします。そのため、何千個という質問を聞いて、答えてもらったり、お互いに冗談を言ったり、物語(ストーリー)を話してくれたりもできます。インターネットに接続されたデータベースと通信することで、玩具は常にプレイ体験を向上することが可能です。また、使用している子供の好きな色から関心などに沿って玩具がカスタマイズされ、また子供が学習レベルを上げた場合には、算数、スペリング(綴り)、ライミング(押韻)など、内容もどんどん難しくなっていきます。

 

簡単にワトソンが世界征服を目指して進出している分野を紹介した。これだけでも、非常に多くの人がワトソンと接していることがわかる。

さらに人々の間に人工知能を浸透させるために、ワトソンをはじめ人工知能の持つ課題は”身体性”であると感じる。どのような身体(ロボット)を持ち、現実社会で振舞うのか。スマートトイやベイマックスのように身体性を持った形から社会に溶け込むのか。なんにせよ、スマホをはじめとするデバイスの普及は世界に広がっている。ご存知の通り、スマホには既に弱いAIは搭載されている。そして、IoTにより家電・車などあらゆるモノがネットに接続される。日常で我々はより人工知能に触れることになる。

 

そう、これからもワトソンの世界征服は静かにゆっくりと進んでいくのだ。

 

▽参考記事

子供の成長と共に賢くなる!IBM製の人工知能『ワトソン』を搭載した恐竜のおもちゃ|APPREVIEW

IBMワトソンが人工知能スタートアップ「コグニア」を買収 - Translation Office Komada

日本郵政 IBMの人工知能「ワトソン」を高齢者サービスに活用 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

ついに人工知能が銀行員に「内定」 IBMワトソン君 :日本経済新聞 

日本の宇宙ベンチャーの現状「SPACETIDE2015」へ行ってきた!

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目次

● SPACETIDEイベント概要

● 宇宙ビジネスとは

● 日本の宇宙ベンチャー紹介

● まとめ

 

SPACETIDEイベント概要

SPACETIDEー宇宙開発の潮流
 
2015年10月26日に東京にて行われた宇宙カンファレンスに行ってきた。
宇宙ビジネスを中心としたカンファレンスは日本初だそうで、参加者も500人にも及んだ。参加者の属性も時代を表していて、起業家・投資家、エンジニア、研究者・デザイナー・クリエイター、学生それぞれ4分の1ずつと広がりを見せていた。
 
”次のフロンティアは「宇宙」だ。
いまや世界中で衛星を持っている国は50カ国あり、また宇宙開発が政府から民間化の流れになっている。つまり、宇宙開発は国家の占有物ではなくなったのだ!”
 
”宇宙はBorderlessで、Global、Fusionだ”
小宮氏/内閣府宇宙審議官 宇宙戦略室長
 

そのような言葉から始まった今回のSPACETIDE2015。

 

他に印象に残ったこととして、いま宇宙ビジネスに果敢に挑戦している人たちを見てみると、面白いことにスタートレックを見ていた世代(3040代)だという。これはとても面白いなと感じて、いつの時代もSF映画は夢を与えるものであって欲しいと思う。

また、世界の宇宙ビジネスの市場規模について、2004年の時点では10兆円

2014年の時点では、全世界で24兆円(主に衛生に関わるビジネス。衛生、衛生を打ち上げるためのロケット、打ち上げた後の衛生サービスなど)。ここに有人飛行も合わせると40兆円にも及ぶという。つまり明らかな成長市場だとのこと。

 

宇宙ビジネスとは

宇宙ビジネスと聞くと、具体的にどのようなビジネスがあるのか?
これについては炎上で有名なイケダハヤトさんがわかりやすくまとめられていたので、ご紹介。
 
簡単にいえば、輸送系ビジネスと移送ビジネスと二つだそうで
さらに詳しくビジネスの種類をまとめると、

・放送・通信衛星

・測位衛星

・リモート・センシング

・大企業のロケット開発

・ベンチャーのロケット開発

・資源・エネルギー

・宇宙旅行

・火星への到達

・その他の新興サービス

  

 今、熱い宇宙ベンチャーのリスト

最後に、石亀さんから今熱い宇宙ベンチャーのリストをいただきました。有力プレーヤーを把握することができる、貴重なリストです。
SpaceX:イーロン・マスクによって立ち上げられた、もっとも注目すべき宇宙ベンチャー。
OrbitalSciences:1982年創業の古参企業。人工衛星の製造・打ち上げを行う。上場企業でもある。
BlueOrigin:Amazonの創業者、ジェフ・ベゾズが立ち上げた宇宙ベンチャー。外部からの資金調達はしておらず、ステルス状態で経営している。
StratoLaunch System:マイクロソフト創業者のポール・アレンが設立した「空中発射ロケット」ベンチャー。
Virgin Galactic:ヴァージン・グループのリチャード・ブランソンが設立した宇宙旅行ビジネス会社。
XCOR Aerospace:市場からの資金調達でビジネスを立ち上げている、比較的小規模なベンチャー。
Copenhagen Suborbitals:非営利組織(NPO)として運営されている組織。クラウドファンディングサイトを用いて資金調達を実施。
インターステラテクノロジズ:堀江貴文さんが率いる宇宙ベンチャー。
Masten Space System:実証実験サービスを提供する企業。
Deep Space Industries:これから熱い領域、小惑星の資源開発に取り組む企業。
Planetary Resource:同じく小惑星資源開発に取り組む企業。ジェームズ・キャメロン、エリック・シュミット、ラリー・ペイジなどの著名人が投資。宇宙望遠鏡の開発資金をクラウドファンディングサイトで集め、1.5億円を集めたことでも注目を浴びている。
Bigelow Aerospace:ホテル王・ロバート・ビゲローが1999年に創設した企業。「宇宙ホテル」の実現に向けて取り組んでいる夢のある企業。
MarsOne:2023年に火星への到達を目指す非営利組織。プロジェクトの総額、5000億円はテレビ局とのタイアップで集める。
Inspiration Mars:2018年に火星スレスレまで到達し、着陸しないで戻ってくる、という計画。長い搭乗となるため、乗組員は夫婦で参加することになっている。
Moon Express:月にソフトランディングするための技術を開発する企業。
Astrobotic Technologies:NASAの技術者が立ち上げたベンチャー。探査車の開発で進んでいる。
NanoSutisfi:安価かつ容易にアクセスできる小型人工衛星を開発する企業。
Kymeta:世界中の人々にネット環境を整えようと画策する企業。ビル・ゲイツも出資。
Skybox Imaging:いわゆるリモート・センシング系の企業。
Planet Labs:同じく、リモート・センシング系の企業。
Final Frontier Design安価な宇宙服のデザインを行っている企業。安価な宇宙服のデザインを行っている企業。

 

日本の宇宙ベンチャー紹介 

 
PDエアロスペース社  緒川氏

lne.st

事前知識として、はじめに「宇宙機」と「宇宙旅行」について大枠をご紹介。

 

宇宙機は2種類

①衛星系ー情報取得、通信

②輸送系(ロケット)ー人、モノ(衛星)を運搬 

  

宇宙旅行は4種類

①周回飛行(オービタル飛行)

地球の重力圏に入り軌道にのり、地球の周りを回る飛行方。衛星など。

②軌道間遷移飛行(他天体)

別の天体の引力圏に行く飛行方

③弾道飛行(サブオービタル飛行)

ボールを投げて落ちてくるように、一度宇宙空間に行き、地上に重力で落ちてくる飛行方

④二地点間飛行(極超高速)

宇宙空間に一度行って、別の場所に着陸する飛行方

 

PDエアロスペース社では低コストで利便性の高い宇宙輸送インフラの構築を目指し、宇宙機の開発、製造、宇宙旅行など宇宙関連事業を行っている会社だ。

上記のカテゴリに当てはめれば、輸送系の弾道飛行による宇宙旅行を提供しようとしている。この宇宙旅行で

は、宇宙空間で約5分間の無重力状態を体験できるという。この間に旅行としての体験やなんらかの無重力実験を行うとのこと。ただ、現状のエンジンだとお金がかかるため、何回も使えるエンジンにして打ち上げを安くしようとエンジンの改良や、実験、開発などチャレンジされている。また、付帯事業として、宇宙旅行に行く前の訓練プログラムなど2016年の4月から開始予定だという。

 

事前知識として、はじめにカテゴリ分けを行って頂いたことでとても内容がわかりやすかった。 宇宙旅行、一回は行ってみたいものだ。是非とも、実現できるよう応援したい。 

 

インターステラテクノロジズ社 稲川氏
こちらはホリエモンが共同創業者として設立した宇宙ベンチャー
 
北海道でロケット開発を行っている。
フルタイムメンバー7名。パートタイム含め10名で活動。
これまでは人工衛星に対してロケットの費用が高かった。(3億円の衛星に対して100億円のロケットが必要)インターステラテクノロジズ社では人工衛星打ち上げのため専用の小型ロケットを開発している。「フェラーリではなく、スーパーカブみたいな手軽で安価なミサイルを」というコンセプトで開発を行っている。
 
2016年に弾道飛行による観測ロケットを打ち上げ予定、2019年には人工衛星ロケットの開発を進めていくとのこと。ただ、資金面はまだ課題が多いようで資金を得ることができれば人工衛星ロケットの開発を進めることができると。
 
デブリ問題についても触れていた。デブリ問題は高さによって話が変わってくるという。インターステラテクノロジズ社では、高度500kmのところまでの打ち上げとなっており、500km以下であれば空気が微妙にありやがて地上に落ちてくるためデブリにはならないとのこと(どこに落ちるんだろう??海?)。よって、高さによって宇宙デブリとなるかどうかは変わるとのこと。
なぜ、北海道なのか?赤道付近がいいのでは?との問いに対しては、小型の人工衛星ロケットであれば北海道が適しているとのこと。理由は、小さい人工衛星のように低高度に打ち上げるものであれば、赤道直下よりもある程度、緯度があったほうが有利になってくるとのこと。
 
 
アストロスケール社 山崎氏

logmi.jp

SPACESWEEPERSー宇宙の掃除人

宇宙ゴミ(スペースデブリ)を掃除することを主とするシンガポールに本社を置くベンチャー。

まず、前提として宇宙にゴミなんかあるの?と思うかもしれないが、使われなくなった衛星や打ち上げに使われたロケット、またはそれらが壊れて発生した破片などのスペースデブリと呼ばれる宇宙に浮かぶゴミが存在する。

2015年時点ではスペースデブリの数は大小(10cm未満含め)約50万個以上あると言われている。これらが人工衛星やロケットなどに衝突すると、衛星が破壊されたり、宇宙飛行士の命が奪われたりと問題があるのだ。

そこで、このデブリをいかに取り除くのか?という点が重要になってくる。

 

アストロスケール社では以下の2点からアプローチを行っている。

① 2016年最初のミッション:デブリマップの作成

微小デブリのデータを集め、微小デブリマップを作る。

宇宙をより安全にいれるためのマップ作りを行う。

② 2017年のミッション:デブリ除去

デブリに近づいたら、衛星本体から飛ばす小さな衛星(子機)をデブリにくっつけてそのまま大気圏まで運び燃やして除去するという方法

 

これから宇宙産業が活発になっていく中、その分排出されるゴミも増えていく。また、デブリ同士が衝突し、新たなデブリを生み出す。と考えた時にデブリの掃除は、宇宙開発を前に進めていくためにも非常に意義のある事業だと感じる。

 

 【参考記事】

ほどよし衛星からスペースデブリ除去 2017年軌道上実証を実施へ:宇宙状況認識シンポジウム | 宇宙エレベーターニュース

宇宙ゴミスペースデブリ http://fanfun.jaxa.jp/topics/detail/2125.html 

 

まとめ

 

今回はカンファレンスの中の日本ベンチャーのみにフォーカスしてご紹介した。その他にも宇宙ベンチャーへの投資についてや、海外の宇宙ベンチャーの動向についてなど当カンファレンスではあったのだが、それはまた別の機会にご紹介したい。すぐに見たいという方は下の動画で全てみることができる。6時間半くらいあるが。。

今回の印象としては、日本の宇宙ベンチャーについてはまだまだ手探りな状況なんだろうなという印象だ。宇宙ベンチャーに投資が集まらないというのは大きな課題であると思うが、そもそも宇宙開発、宇宙とは、ロケットって?、エンジンってなに?みたいな世間的な認知もそうだが、投資家サイドでも理解していない人が多いのであろう。投資リスクが高く、リターンが早く手に入らない(10年スパンくらい)というのも要因の一つだと思うが。

だが、それ以上に宇宙開発の可能性はめちゃくちゃある。小型人工衛星によるデータ解析を行うアクセルスペース社の話も聞いたが、市場規模しかりとても可能性を感じた。純粋に夢があるな、と。

是非とも、自分でも5年後を目標に宇宙開発にチャレンジしたい。

  

 

 

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「シンギュラリティサロン」に行ってきた

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Picture:http://www.transpanish.biz/translation_blog/machine-translation-far-from-replacing-human-translators/

【目次】

●AIに関する前提知識

●市瀬准教授によるプレゼン

●質疑応答タイム

●まとめ

 

10月24日(土)大阪グランフロントで行われた「シンギュラリティサロン」に初参加してきた。とても面白く、是非とも次回も参加したい。今回は内容を議事録メインでまとめてみた。

  

 【用語】

AGI:汎用人工知能

AI:人工知能

 【人物】

市瀬准教授:国立情報学研究所准教授

塚本教授:神戸大学大学院教授/ウェアラブルを身につけている

松田卓也先生:神戸大学名誉教授

 

 AIに関する前提知識

前提知識としてこちらがめちゃくちゃわかりやすかったのでご紹介。

【記事の内容】

●結論

Deep Learning (真の)人工知能ではない。なんでもかんでも人工知能って呼ばない。

●機械学習とは

「人間がプログラミングするのが大変な部分を、機械が自動的に学習できるようにしよう」ということ

●ニューラルネットワークとは

「脳の機能をコンピュータ上に再現したらすごいことができるかも!」という発想で1943年ころ生まれました

●そもそも人工知能とは

弱いAIと強いAIがある。

●強いAIを作るには?

脳の解明が必要。また、主に二つのアプローチがある。 

弱いAIからのトップダウンシナリオ(Siriなどのデータを大量に読み込んで、バージョンアップさせていく方法),強いAIからのボトムアップシナリオ(脳のアルゴリズムから進化させていく方法)

 つまり、ニューラルネットワークの進化したものがディープラーニングである。だが、それはデータから学習したただのアルゴリズムでしかなく、脳とは全く別物。そこには感情も心も意識もない。当初の目的であったニューラルネットワーク(脳の模倣)を作ろうと思えば、まずは脳の解明から始めないといけないということ。

 

kazoo04.hatenablog.com

 

 市瀬准教授によるプレゼン

【結論:まとめ】

①AGIとは汎用人工知能のこと

②AGIを作るためにはどうする?

ー認知アーキテクチャを動作させる要素

③『知識』に焦点を充てる

ー知識グラフを使ってアプローチしよう

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①AGIとは汎用人工知能のこと

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②AGIを作るためにはどうする?ー認知アーキテクチャー
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③『知識グラフ』に焦点を充てる
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AGIを作っている組織

GoodAI

・Google DeepMind

deepmind.com

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質疑応答タイム

質疑応答はとても盛り上がり、おそらく30分以上もあったかな?

 

●「人間のように心の病を抱えて動かなくなったりするハニートラップは人工知能にはないのか?」

→「現状あるAIは強いAIではないので、そういうことはない。だが、ACT-Rというのは人間の動作を元に作ったもので人間と同じ速さで物を考え、処理するため、負荷を大きくかければ遅くなることはあるかもしれない。」

 

●「人工知能を作る際のデータベースとは?言語はなにで作る?言語によって情報量に差が生まれるのはどう解決するのか?」

→「やはり、世界で使われており、情報量の多い英語が有利。日本語だとハンデになるだろう。」

→「ならば日本語から英語に変換する必要があるのか?」

→「それはそう。だが、それも単純な話ではない。例えば、Wikipediaでアニメなどは日本語だととても詳しく掲載されているが、英語ではそうでもない。つまり、言語は文化に依存している。ただ日本語から英語に翻訳というのは違う。日本人は日本人の文化を守るための”知識グラフ”が必要だ。」

 

●「AGIの目的関数はどうやって定めるのか?」

→「目的を定めてしまうとそれがゴールになるため、定めない。なので、現状”汎用性”を目的にしている。」

 

●「AGIでの目標設定とは?なにをもってAGIと言えるのか?」

「AGIというには、他人の家に行ってコーヒーを入れれるかをテストする”ウォズニアックテスト”によって判断する。だが、現状はコーヒーを淹れるだけすら難しい。」

訂正(ご指摘頂きました) 

→「AGIの判断をするために、他人の家に行ってコーヒーを入れれるかをテストするウォズニアックテストというのが提案されている」

弱いAI=特化型AIでコーヒーを淹れるだけに特化した人工知能を作ればできるんじゃない?と横で松田先生がツッコミを入れていたのが面白かった。

 

●「AGIができた時に、教育に与える影響は?」

→「機械ができないことを人に教えるのが教育だと考えている。例えば、計算なども昔は算盤でやっていたがコンピューターの発展で算盤を使う必要はなくなった。だから、機械でできることは教える必要はなく、機械が出来ないことこそ教える必要があるのでは」

 

ちなみに私が質問したのは

●「ディープラーニングの先にAGIはないと思っている。となると脳や意識の解明が必要だと思うが、現状世界的にどれほど研究は進んでいるのでしょうか?」

→「まさに全脳シミュレーションのことでヨーロッパでは、ヒューマン・ブレイン・プロジェクト(HBP)という10年プロジェクトがあり、2020年頃 2020年代にシミュレーションしようとしている。」

「AGIでは心を作ろうとはしておらず、その領域には踏み込まない。」

www.swissinfo.ch

 心や意識をどう判断するか?というのが問題。結局のところ、チューリングテストでしか判断しようがなく、どちらかわからない。人が”意識がある”と思えばある。”心がある”と思えばあるというようなことを松田先生は仰っていた。

 

まとめ

特に印象に残ったのは「必要なのは君のような若い人材だ」という松田先生の言葉。

今回の会場を見ても20代はおそらく私一人。30代もいるかいないかで主に40、50代の方だったように思える。人数も募集人数100人に対して半数くらい?かな・・ここから推察できるのは「AI自体の認知が低い、関心が薄いこと」、「大阪という地域で認知が低い」、「若年層の関心は薄い」ということだろう。

たまたま今回だけなのかもしれないが、どちらにせよAIはこれからどの産業にも大きく関わってくるとても重要なトピックなので、もっと人々は関心を寄せるべきであろう。

 

また、松田先生はいま世間的がAIを勘違いしていることに対する懸念を抱いていた。つまり、ターミネーターみたいな世界になるかもしれないからAIダメ絶対というわけでなく、それはいまのAIの延長線上にないのだから心配する必要もないというようなことを仰っていた。私も思うに、イーロンマスクやホーキング博士が警鐘を鳴らしているのは、兵器としての利用に反対しているのであって、あくまでAI自体は活用したほうがいいし、そのためのリクルートやAIに携わる人材を増やすためだと考えている。

  

ちなみにこちら私も署名したのだが、軍事的な人工知能兵器の競争に反対する署名。兵器としては使うべきではないと思うが、人類の歴史は皮肉にも軍事産業によって発展してきている。発展を犠牲にしてでも、人工知能を軍事兵器に使ってほしくないものだ。、、もうどこかで使われているのかもしれないが。

tinyurl.com

 

最後にスライドシェアにあがってたのでご紹介。

www.slideshare.net

  

※一部情報が抜けている部分があります。また部分部分で誤った解釈をしていたり、意図を履き違えている場合はすぐに編集致しますので、ご一報頂ければと思います

”あなたの世界観は?” エッセイ風

質問力は大切だ。

質問によって人間を測ることができる、とも言われてるくらい。自分も質問する時はなるべく、その人が質問されたことがないであろうことを質問するように心掛けている。
 
遡ること1年半前。
私がレストランで働いてた時、ある社長婦人に聞かれたことがあった。
 
「いまの20代の子の世界観って、どんなもの?」
 
突発的な質問だった。と同時に、今でも鮮明に覚えてるくらいインパクトのあった質問だ。
 
その時はとっさに答えることができずに、そのまま会話は過ぎ去っていったと思う。
 
"自分の世界観とはなんだろうか?"
そう自問したのを覚えている。
 
言葉を知ると、まずはその定義から知りたくなるものである。
 
世界観 Wikipedia

世界を全体として意味づける見方のことである。人生観より広い範囲を包含する。単なる知的な理解にとどまりはせず、より情意的な評価を含むものである。情意的な面、主体的な契機が重要視される

 

その後もしばらくはこの質問がグルグルと回ったのであった。
 
その答えはさておき、ここ数ヶ月、高校生に会うとよく聞くのがSNSの利用状況について。
 
先日もスタバで隣にいたピチピチJKに幸之助スタンス(松下幸之助は素直さで有名。従業員にも意見を聞いてまわったという逸話から命名)でSNSの利用状況から、流行り、夢など色々と聞いてみた。

[全てが師匠(蟻からも学ぶ姿勢が大切)だという考えがここで生きてくる]
 
映画監督を目指し、毎週映画館に通っているという高1の彼女に映画「Her」についての意見を聞いてみた。
 
「うーん、まずキャストが最高ね。ーにーにーまででてるのよ。」
 
「あとここ最近、こうなんか悪い未来ばかりを思わせる映画ばかりだったけど、Herはとても明るい内容だからとても良かったわ。」(ちなみにこんな喋り方じゃない。タメ語だが。)
 
「それにファッション性もすごく良かった!最近って80年代のファッションの再来って言われてるじゃない?(いやいや知らないよ!と心で思う)まさにその80年代のファッションを取り入れてたわよね。例えば、主人公の細みのスキニーパンツやカラフルなシャツなんかそう。もう最高」
 
なんてカッコイイんだ!!!
高1で夢を語り、映画評論を自信満々に語る。視点も面白い!
凄い!これがいまの若者か!!!!
 
そこからは彼女のおすすめ映画などひたすら教えてもらいましたとさ。
 
話は逸れたが、彼女もそうだったけれども、いまの若者はFacebookを利用していない。
 
高校生を中心に数人にインタビューした結果、8割以上がFacebookに登録すらしていないor登録だけはしているがなにもしていないという意見だった。その代わりにTwitterを利用している。
  
実際に私の友人の投稿やアクティブ率を見てみると、20代後半、30−50代が占めている。同世代もめっきり少なくなった。90%以上(肌感覚)がTwitterまたはInstagramに流れてる。特にここ1年、身近でInstagramの使用率の伸びは凄い。投稿もマメだ。


逆にFacebookを使用している人はどういう属性だろうか?
つまるとこ、「発信する必要性のある人」、「発言の自由性の高い人」だと思われる。となると、フリーランスや起業家、個人事業主などに偏るのもわかる。(もちろん、私の周りがそうなだけかもしれないが)
 
ところで、”流行”は若者からつくられると思ってる。(バズるのはいつも若者から)スナップチャットしかり、MixChannel、mixiなど。Facebookも始めは大学生から広がった。若者は流行らせるのが上手い。というか、その流行りに容易に乗りやすいとも言える。例えば、よくシェアされているダンスや音楽に合わせた振り付けなど。
 
簡単にいえば、Facebookはおじさん化してきている。
そして若者から流行はつくられるが、若者の利用率は低い。
 
ここに矛盾があるのだ。
 
同じことがmixiにも見られた。
つまり、SNSは総じて、若者→おじさんのコミュニティへと変わっていく。この現象を『SNSの高齢化』とでも名付けよう。
 
ならば、いまの若者の流行りはなんだろうか?
Facebookの代わりとして、なにを使っているのか?
そもそもFacebookのようなSNSは必要ないのか?
プロファイルをネット上に作っておくことは客観的な信用補完のための有効的な手段だと思うのだが、若者は何でその役割をつくっている?
 
そう思ってSNSの利用状況を聞いているのだ。
 
しかしながら今更、若者がFacebookを新しく始めるというのはあまり考えにくい。(より新しいものを好むため)ならば、その代わりのWebサービスはなんなのだろうか?
 
ここに大きなチャンスがあるように思える。
若者は新しいものが好きだ。高齢化になったFacebookを使わず、オンライン名刺のような役割も持つツールをなにで補うのか?シンプルに若者向けのFacebookのようなSNSのようなサービスが流行るのでは?と個人的には思っている。
 
そんなことはさておき、高校生をはじめ、いまの若者、小中の年の子はなににハマり、どんな未来を見ているのだろうか?そこに答えがあるような。
 
いまの小中高生はなにを考えている?
世界がどう見えているのか?
世界をどう見ているのか?
 
小中高生と会った時には是非とも聞きたい。
  
 

 


「あなたの世界観は?」 

 

 

 

 

 

ベイマックスに見るテクノロジーの未来

 

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今更ながらベイマックスを鑑賞。

ベイマックス可愛い。愛着が湧いてくる。

特に気球みたいな上に乗って、主人公ヒロを真似て一緒に足をぶらんぶらんしている姿がなんともいえない可愛さだった。

  

さて、ベイマックスでは天才ヒロとその兄の通う大学の科学オタクのメンバーによる様々なテクノロジーを用いた製品が披露される。現代にあれば、どれも画期的なものだ。それらを簡単に紹介する。

 

テクノロジー編 

科学オタクの集まる大学のラボにて

 

●電磁サスペーション付きの自転車

摩擦抵抗ゼロの車輪。

どうやって動いてるんだろう?

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●レーザープラズマカッター

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●金属をもろくする薬品

僅かな過塩素酸に少量のコバルト、過酸化水素をほんの少しいれ、これらを500ケルビンまで加熱した薬品180キロのタンクステーカーボイドを粉状にする

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●ベイマックス

傷を癒すケアロボット

その役目や風貌などpepperに似てますな。

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・ソフトウェア  ー1万通りの治療法をプログラムを組み込んでいる

・体 ービニール製。弾力性があり、思わず抱きしめたくなる仕様

・目 ーハイパースペクトルカメラによるスキャン機能

 人間の身体をスキャンして外傷から脳波まで読み取り、今の心理状態まで把握する。

ハイパースペクトルとは

光は波であり、粒子でもあります。光を波として捉えた時に、その波の種類(波長)に応じて、人間は様々な色を認識します。

例えば、人間がイチゴを赤色と認識するのは、イチゴが長い波長の光(赤色光)を反射しているからです。

色には相互にはっきりした区分けがあるのではなく、連続的に変化する無数の異なった色からなっています。このようにして生じた美しい光の帯にニュートンは「スペクトル」という名称を与えました。

ハイパースペクトルとは、数十バンド(種類)以上に分光されたスペクトルのことです。ハイパースペクトル情報を取得することで、人間の目や既存のRGBカメラでは捉えられなかった対象の特性や情報を捉えられるようになります。

  なるほど。簡単にいえば得られる情報量の多いカメラということか。

 

・骨格 ー素材として軽いカーボンファイバーを使用。アクチュエータは400キロ持ち上げられる強度。

 アクチュエータとは wikipedia参照

アクチュエータはものを動かす駆動装置と、その動作により制御を行う機械的あるいは油空圧的装置。利用する作動原理(入力するエネルギー)によりさまざまなものが開発され利用されている。一般には伸縮・屈伸・旋回といった単純な運動をするものに限られ、電動機(モーター)やエンジンのような動力を持続的に発生させるもの単体を指してアクチュエータとは呼ばない。 

・バッテリー ーリチームイオン使用

・暖かくなる機能  ーこれどうやってるんだろう?

  

マイクロボット

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・主人公ヒロが開発。視点を変えることで生み出されたアイデア。

・神経トランスミッターを使ってテレパシーによって操る

頭の中でこう動けと思えば、動く。活用法は無限。必要なのは想像力だけ。

www.wikiwand.com

 

テレポーテーション

・磁気制御システムを利用

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感想

とにかくベイマックスが可愛かった。笑

あんなロボットだったら実際に欲しいなと思いますね。 

また、才能の持つ怖さについて。主人公ヒロの開発したナノロボットは本人の意図しないい形で利用されており、天才は天才があるが故、利用されて終わることもあるのかなと。権力や財力に転がされる可能性もあり、天才よりもそれを利用する者が重要な立場なんだ。

 

歴史を見れば、アインシュタインの開発した原子力の技術が、結果的には原子爆弾として人々を傷つける結果をもたらすことに。最近であれば、一躍話題になった学校で爆弾を開発したと間違えられた14歳の少年など。純粋な科学や想いは本人の思惑とは異なる結果を招くことだってある。人工知能もその点を考えれば、紙一重のテクノロジーなんだろうな、とつくづく感じる。だからこそ、利用者の倫理観や道徳観が問われる。そのための価値観を一致させる、または向上させる必要性を強く感じている。

 

最後に主人公ヒロが言った言葉(厳密にいえば、二つ目は兄が言った言葉)で印象的だったものを紹介。視点を変えることでピンチをチャンスに変える。日常でも必要なことだと改めて感じた。

 

みんな、自分の力を信じるんだよ

見方を変えてみるんだ

 

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